「競争原理」という人類史最大の嘘 ⑨
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。この本の内容に共鳴してくれる人が現れたなら、どんなに素晴らしいことでしょう。その人は私にとって、新しい時代をともに切り開く友人と呼ばせていただきたいです。
本書を手にとっていただいた人のなかでも、ここまで読みすすめていただける人はほんとうに少ないだろうと考えていました。その理由は、本書で様々な普通では
「競争原理」という人類史最大の嘘 ⑧
競争は、人類文明の発展において不可欠な有用性をもたらしてきたと評価する人がほとんどだろうと思います。他者と競い合うことで技術は革新し、あらゆる競技において前人未到の記録は更新され続けていきます。多少の弊害は感じても、人々を熱くする最大の関心事はつねに「闘争」です。こっちが正しいんだ強いんだと罵り合い、戦争までいかなくてもスポーツの国際試合は人々を熱狂させて
「競争原理」という人類史最大の嘘 ⑦
「競争」を世界の根本的な原理だと捉える材料の一つとして、自然界は弱肉強食の競争原理でまわっている、という考えがあります。私は、無検討のまま当然と受け入れられていることについて疑問を投げかけたいと思います。
自然界は本当に「弱肉強食」ですか?
こんなストーリーを考えてみましょう。
派遣社員として働く女性がいました。劣悪な労働環境の職場を転々とする毎日を、彼女は帰宅して
「競争原理」という人類史最大の嘘 ⑥
現代社会では確率を多用しています。確率が有効なのは、集団や複数回の事象を扱うときです。複数の者や事を、確率的な傾向として扱うときに有効です。そのような確率の性質から社会を運営するなかで、集団を意図する方向へ確率的に誘導するなど、現代社会では使い勝手がいいと
「競争原理」という人類史最大の嘘 ⑤
企業経営者や現場の上司、スポーツ選手や親が子供に向かってまで「結果がすべて」だなどと言います。「競争」が社会通念として採用されている現代においてはやむを得ない感覚なのかもしれませんが、「開けた頭」の人たちは「期待せずに行動する」ほうがいいと言うでしょう。では、どちらに優位性があるのでしょうか。精神論や理想論ではなく、実際の効果としてどちらが
「競争原理」という人類史最大の嘘 ④
競争に必要な条件とは何でしょう。
まず私以外に「他者」が必要ですね。そして世界が「有限」である必要があります。自分以外がいるから、そして欲しいものが限られているから、競争が起きて奪い合います。スポーツでも1位や優勝は限られているし、戦争やビジネス、男女の出会いや現代人の精神的な悩みについても「競争」をベースに語ることが
「競争原理」という人類史最大の嘘 ③
私たちは科学を信じています。科学や学問は、実証によって確かめられたことを一つひとつ積み上げていくので信用できます。私が疑問に思うのは、科学や学問に向ける分別ある眼差しを、何故ほかの知見に向けないのだろうか、ということです。その意味で私たちは、科学や学問を「妄信」していると
「競争原理」という人類史最大の嘘 ②
現代まで、私たち人類全体が歩んできた道をひと言でいい表すなら「理性の道」ということができるでしょう。あなたが考え、感情が生まれ、生きていく上での拠り所となる中心、それが「理性」です。一般的には「感情的」に対して「理性的」をあてた二項対立として使われることも多いですが、実際には感情は理性の
「競争原理」という人類史最大の嘘 ①
あなたがいま本書を読み始めたということは、世界の変化を感じ、時代が大きく移り変わっているという何かを感じているからではないでしょうか。意識的に言語化していなくても、あなたの感じる予感が導いて、本書のタイトルに反応されたのかもしれません。世界が、時代が、大きく移り変わっていくのであれば、その先に新しい時代がやってくるということを意味します。
この本では「競争」という自然の摂理とも