人生の経験を積んだあなたは、何事にも準備が大切だと知っています。深い山にわけいる登山や、船に乗って大海へ向かう旅は、人間社会に暮らす私たちにとって、ある意味で「未知への冒険」です。
例えばそれが冬山であるなら、寒さへの防寒対策や登山ルートの下調べ、山小屋の場所や向かう山の注意点など、できる限りの情報を集めて準備をするはずです。なぜなら私たちは、冬の山に登るということが、とても厳しい冒険であると知っているからです。冬山へ下調べもせずに軽装で向かえば、遭難は必至であると分かります。
ではなぜ私たちは、冬山よりもさらに謎に満ちた、真の意味で「未知への冒険」といえる「死」に対して、なんの準備も下調べもしないのでしょうか。死という現象や、死んだ後の状態がよく分からないから、気になるけれど考えないようにして、日々の雑多な出来事にかまけてしまうのかもしれません。
臨死体験者の多くは死後の世界を垣間見ることで、死ぬことは怖いものでないと感じ、死後にも自分の意識が存続することを確信するといいます。死を忌み嫌って遠ざけておけば、不吉なものを避けられるわけではありません。死とは何かを知って、しっかり向き合うことによって、はじめて道が開けます。